災害救援


 
 2004年フィリピン台風災害と被災者支援

 フィリピンでは、昨年11月29日から12月1日にかけて「ウンディン」(台風25号)と「バイオレタ」(台風26号)がビコール地方を直撃、熱帯性低気圧「ウィニー」が連続して上陸し、さらに12月2日夕方、台風「ヨヨン」(台風27号)がルソン島を襲い甚大な被害をもたらしました。
 洪水当初、マグパパラヤオ村では、標高の低い地域の80世帯以上が村の高校に一時避難しました。しかし、水かさが上がるにつれ高校も水につかり、学校の教材や資料などが流される被害が出たため、わずかに高い位置にある小学校へ避難することになりました。小学校や高校に通う学生たちには、怪我などの身体の被害はありませんでした。JPComのコミュニティ・ファームセンターは村の郊外の河川沿いにあるため完全に水浸しになり、養豚場の母豚もスタッフも水の中で数日を過ごしました。
       
 
 


 
  公的支援の無い中で

 政府や全国的な支援は、最も被害の大きかったオーロラとケソンの2州の被災地域に投入されることとなり、JPComのプロジェクトエリアのサン・レオネルドでは、わずかな自治体から一部の被災者に救援物資が提供されただけです。
 犠牲者やその家族の支援、住宅再建などを地元自治体として支援する予算がなく、国や州政府からの援助を打診しましたが、具体的な回答や支援を得ることができませんでした。
 JPComの洪水被災者への緊急支援(12月31日〜1月中旬まで)は、マグパパラヤオ村、タンボ村、タブアティング村にとって最初の民間国際支援となり、1月15日その内容や効果などについてマグパパラヤオ村議会で報告しました。現在まで進めてきた経済的自立支援事業に加えて今回の私たちの行動が高く評価されるとともに感謝されています。
 日本や他国のように、自治体や援助団体による廃棄物や瓦礫の撤去・回収の支援が全くないため、洪水によって堆積した瓦礫はすべて被災者自身の手で片付ける日々が続きました。私たちのコミュニティ・ファームセンターも公的な支援を受けることができないのは同様ですが、瓦礫の撤去に当たっては表土が流されてしまった農場の復興を考え、瓦礫の中から有機肥料として利用できるものとそうでない物に分別し活用を図りました。
 被災された方々の内、家をなくした家族は、近隣の親類の家に避難しましたが、他地域へ非難せざるを得ない家族もいました。家屋に被害を被った家族は、なんとか住宅を再建しようと毛布やタオルケットを壁代わりに打ち付ける様子も見られました。
 私たちの救援物資は、一時的なものに過ぎません。村人から食事の提供の申し出もありますが、それも一時しのぎです。配給食料が底をつくと、食費を得るための仕事を探さなければならないでしょう。
 
 


 
  JPComプロジェクトエリアの洪水被災状況(ヌエバエシア州サン・レイナルド)
       
       被災状況

  ●マグパパラヤオ村
   家屋全壊    7軒
   重半壊     9軒
   床上浸水等  149軒
  ●タブアティング村
   床上浸水等  50軒
  ●タンボ・アドラブレ村
   床上浸水等  50軒
 
 


 
  JPComのリリースパック(救援物資)

 皆さんからの緊急支援金によって、救援物資をマグパパラヤオ、タブアティング村、タンボ・アドラブレ村の265世帯へ配布しました。また、全壊、重半壊世帯には、家屋の改修資材を提供しました。
       
       救援物資

●救援物資内容
 米           3kg
 食用油        1缶
 コーヒー       1瓶
 ミルクパウダー   1パック
 砂糖         1kg
 コンデンスミルク  1kg
 パスタ        1パック
 コーンビーフ    2缶
 洗濯石鹸      1パック
 チーズバター    1パック
 マーガリン      1缶
 食パン        1パック
 パティス(魚醤)   1瓶
 バケツ        1
       
       救援物資の仕分け作業

●家屋の改修資材内容
 屋根用帆布   50張
 建材       110本
 セメント      50バッグ
 壁用のベニヤ  90枚
       
       救援物資の配布
 
 


 
  台風災害の経緯

2004年
10月20日、台風23号が本州縦断(〜21日)、死者80人、不明者12人、負傷者約350人(23日現在)と1979年の台風20号以降、最悪の人的被害

10月23日、新潟県中越地方で地震、震度6強を3回観測、死者36人(30日現在)、被災後の心労による急死相次ぐ、避難住民は一時10万人超える、上越新幹線が脱線、新幹線開業以来初

11月29日から12月1日にかけて「ウンディン」(台風25号)と「バイオレタ」(台風26号)がビコール地方を直撃、熱帯性低気圧「ウィニー」が連続して上陸し、さらに12月2日夕方、台風「ヨヨン」(台風27号)がルソン島を襲う

JPComコミュニティ・ファーム水没、果樹野菜に被害、母豚は無事、プロジェクトエリアでも洪水被害

12月9日フィリピンのルソン島で豪雨により崩壊した建物から10日ぶりに子供ら4人救出、軍集計で同島豪雨被害は死者・不明者1700人超

12月26日インドネシアのスマトラ島沖でマグニチュード(M)9・0の巨大地震が発生、地震に伴う津波がインド洋沿岸の10カ国以上を襲い日本人17人を含む約12万4000人死亡(31日現在)

12月31日 JPComは、現地NGO Smile Philippinesを通じて3村の被災265家庭に救援物資支援を実施

2005年
1月、フィリピン政府は、先の連続台風による被災者のために仮設住宅およそ4万棟の建設を開始

1月10日、2回目の救援物資支援(住宅補修資材を中心に)

2月25日〜3月2日、マグパパラヤオ村の被災世帯現状視察、農場の被害確認、被災世帯への仔豚銀行支援、小規模事業起業支援

5月、アウロラ州、昨年11月に壊滅的な鉄砲水が同州を襲ってから半年を経ても再定住地がないため1,500世帯余りが依然としてホームレスのままとなっている
アンガラ知事は、鉄砲水により住宅が全壊し公立学校で避難生活を送っている1,000世帯に対し、6月から新学期が始まるため他の公共施設に移るよう命じた。
 
 



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